今回はマーケティングとブランディングの違いと、ブランディングを高める方法について紹介をしています。
「マーケティングとブランディングの違いを知りたい」
「ブランディングの必要性が知りたい」
「自社のブランディング力を上げたい」
このようなお悩みを持つ方向けの内容となります。
自社の売上構築のためには、マーケティングは欠かせません。しかし、マーケティングはユーザーの注意を引くための戦略です。
マーケティングによって獲得したユーザーを繋ぎ止めるには、ブランディングが必ず必要となります。もし、現在自社がマーケティング施策しか行っていない場合は、すぐに長期的アプローチであるブランディング構築をするべきです。
本記事では、ブランディングを高めるためのステップを紹介していますのでぜひ、参考にして下さい。
マーケティングとブランディングの違い
マーケティングとブランディングは企業にとってどちらも必要不可欠ですが、混同されやすいため、違いを説明できる方も少ないのではないでしょうか?
企業は製品を販売するためのPRをします。これを一般的にマーケティングと呼びます。
マーケティングはPUSHする戦略に対し、ブランディングはPULLの戦略です。ユーザーに対して自社のイメージ付けし、付加価値を付けることによって、ユーザーの方から近づいてくるための施策をブランディングといいます。
ブランディングの種類は4種類
ブランディングの種類は4種類に分かれます。各特徴を紹介します。
企業ブランディング
企業ブランディングとは、「自社のイメージついて考える」ブランディングです。ユーザーにどう思われれば、ユーザーの方から近づいてくれるかを考える戦略といえます。
例えば、Googleの売上の7割は広告収入が占めるため広告会社と言ってもおかしくないですが、Googleは自社のことをテクノロジー企業と断言しています。みなさんもGoogleは検索エンジンのイメージの方が強いのではないでしょうか?
これがGoogleのブランディングです。
このブランディングにより、Googleは広告業界の相場に当てはめる必要がなくなり、多くの利益を獲得できることになります。
製品ブランディング
製品ブランディングは「自社製品にどう付加価値を付け販売していくかを考える」ブランディングです。ただ、製品に付加価値を付けるのではなく、ユーザーのニーズを満たすものでなくてはいけません。
例えば、美容室をこれからオープンさせるとします。美容室は1,000円カットなどの価格重視の付加価値や、サービス重視の高級サロンも多いため、ヘットスパを専門としたサロンをオープンさせ、ヘッドスパもカットも同時に行えるという付加価値を付けました。
このように競合の真似をするのでなく、自社独自の付加価値を構築することを製品ブランディングといいます。
マーケティングブランディング
マーケティングブランディングとは、どうやって自社を広めていくかを考えるブランディングです。チャネルやメディアや口コミなど、マーケティング要素を多く含んだ施策です。
例えば、飲食店の場合であれば、座席と座席の感覚を狭め、ユーザーの回転率を速くする、店舗をあえて狭く設計し、常に行列ができる飲食店として広めていくなどの施策が当てはまります。
セールスブランディング
セールスブランディングは、「どうやってユーザーに商品を販売するか」を考えるブランディングです。セールスブランディングでは、商品のPRをしないのが特徴です。
一番良い例としては、ヤマハです。
ヤマハはピアノメーカーですが直接ピアノを売ることはしません。ヤマハ音楽教室を開講し、ピアノに触れてもらい最終的にユーザーの方からピアノが欲しいと思わせるセールスブランディングを行っています。
ブランディングとマーケティングを理解することの重要性
ブランディングとマーケティングを理解することの重要性について紹介します。
ブランディングがないと負のスパイラルにはまる
企業はブランディングがないと負のスパイラルにハマりやすくなってしまいます。
例えば、「業界内で価格競争が起きる」→「自社も価格を下げ利益率低下」→「自社でコストを削減する」→「PR費用を削る」→「シェア低下」といったケースになりやすいです。
ブランディングを行っていれば、価格競争に巻き込まれる心配もないため、負のスパイラルにハマるケースは低くなるということです。
ブランディングがないとユーザーが戻ってこない
ブランディングがないと、顧客が戻ってこないケースが多くなります。
マーケティング施策によって多くのユーザーを確保することはできますが、それを繋ぎ止めるには、ブランディングが必要と理解して下さい。マーケティングは短期的戦略でブランディングは長期的な戦略です、ユーザーを獲得し繋ぎ止めるには2つの施策を平行して行っていかなくてはいけません。
ブランディングを高める4つのステップ
ブランディングを高める4つのステップについて紹介します。
【ステップ①】どのように認識されたいかを定義する
ステップ①では、自社がどのように認識されたいかを定義します。
ユーザーが製品やサービスを使い終わったとき、経験をどのように説明してもらいたいか考えましょう。
例えば、イタリアンレストランを経営している場合であれば
- 「あなたのレストランのパフォーマンスに感動しました!また見に来たいです」
- 「伝統的なイタリアの家族の夕食に招待されたかのように感じました!」
- 「サービスは迅速で、食事はまあまあでしたが、価格が安すぎます!また来たいです!」
上記のような意見が聞けるかも知れません。ユーザーになんと言ってもらいたかをステップ①で定義して下さい。この定義は必ず達成させるユーザーとの約束だと思って下さい。
また、ありきたりな約束では効果がないため競合他社とは異なる定義を行うのがポイントです。
【ステップ②】ユーザーとの約束を整理
ステップ②では、先ほど定義したユーザーとの約束を自社で達成できるか整理していきます。
競合他社と一線を画す約束を定義することは、競合他社がやっている以上のことを自社で行わなくてはいけません。どのようにすれば、ユーザーとの約束を守れるかを整理してみましょう。
【ステップ③】約束を伝えます
ステップ③では、約束をユーザーに伝えていきます。
商品のパーケージやWEBサイトなど全ての資料は、この約束を実現するために作り替える必要があります。SNSや広告で発信する内容も、ユーザーと約束した内容と一致している必要があります。
定期的にどれくらいのメッセージが伝わっているか、ブランド認知調査もこのステップで行っていく必要もあります。
【ステップ④】一貫性を保つ
全てのステップを終えた後は、一貫性を保ちまましょう。
例えば、Appleは革新的な製品を製造していることで知られています。Appleが魅力のない新しい電話を発売することは、ユーザーとの約束を破ることになります。一貫性を保つには非常に難しいですが、大きな見返りがあります。時間が経つにつれて、適切に管理されたブランドは約束からユーザーの期待に変わります。
ブランディングの成功事例
最後に、ブランディングで成功した企業の事例を紹介します。
【ブランディングの成功事例①】タニタ
タニタは、企業ブランディングにて成功を収めた成功事例といえます。
タニタは、体重計、血圧計などを取り扱う健康器具メーカーですが「世界の人々の健康づくりに貢献をする」と言った企業ブランディングを行い、栄養価があり低カロリーが特徴のタニタをオープンさせたことにより「タニタの料理は健康的である」というイメージの植え付けに成功しました。
2018年には新たにタニタカフェの1号店を都内にオープンし、2022年までに100店舗展開を目指す大きな事業となっています。
【ブランディングの成功事例②】セブン・イレブン
セブン・イレブンは製品ブランディングが成功した企業といえます。
セブン・イレブンは、2010年頃ユーザーの大半が男性客に偏っていることから、女性客をターゲットした製品ブランディングを開始しました。
具体的には、セブン・イレブンの商品を、「デイリー」「プレミアム」「ゴールド」の3つのランク分け、パッケージを一新しました。その後、プレミアム感のあるコンビニイメージが認知された直後に「セブンカフェ」をリリースし、品質の高いコーヒーで更なるプレミアム感を演出し、初年度売上1年で累計販売数7億杯を突破しました。
【まとめ】マーケティングとブランディングの違いとブランド構築までのステップ
マーケティングとブランディング違いとブランド構築までのステップを紹介しました。
今回のポイントは下記の通りです。
- マーケティングは商品を販売するPR、ブランディングは自社認識価値を上げる戦略
- ブランディングには「企業」「製品」「マーケティング」「セールス」4つの種類がある
- ブランディングがないと負のスパイラルはまり、ユーザーが戻ってこない
- ブランディングは、他社と異なる約束をユーザーと行い達成させることで構築できる
- ブランディングが構築できると、約束がユーザーの期待に変わる
ブランディング構築には長い時間が掛かりますが、大きな武器となりますので、本記事を参考に自社ブランディングを構築してみましょう。