ニッチ戦略とは?ニッチ市場を自社で作る方法

今回はニッチ戦略について紹介をしています。

「大企業と勝負ができる戦略が知りたい」

「安定した有益が見込めるニッチな市場への参入を検討している」

「自社の事業の競合が激しく売上が落ち込んでいる」

このようなお悩みの方に有益な情報を公開しています。

市場の隙間を狙っていくニッチ戦略は、成功すれば安定した収益が見込めますが、これだけ多くの市場の中からニッチな市場を見つけ出すのは非常に難しいです。

ニッチ市場は、今ある市場から探すのではなく、自社で作りだしていくものです。ニッチな市場を作り出すにもルールがあり、これを理解しないでニッチ戦略を行うことはリスクが大きくなります。本記事にてニッチ戦略の作り方を理解した上で実践してみましょう。

ニッチ戦略とは

ニッチ戦略とは、特定の市場を狙い、事業を起こし収益を得るための戦略です。特定のニーズや顧客をターゲットとするため、競合他社とは違った戦い方で戦うということです。

ニッチ戦略はブルーオーシャン戦略とは違う

ニッチ戦略はよく、ブルーオーシャン戦略と勘違いをされますが、まずは違いを理解しましょう。

  • ブルーオーシャン戦略:世間から認知されていない大きな市場を獲得する戦略
  • ニッチ戦略:世間から認知されている市場のすき間を狙った戦略

ニッチ戦略は、隙間を探して独占をするということです。ただ、この市場が大きく成長する可能性もありますし、ブルーオーシャンを見つけるよりは、少しハードルが下がるといった戦略になります。

ブルーオーシャン戦略は実はリスクだらけ!?ビジネスで失敗しないための方法とは

ニッチ戦略のメリット

それでは、ニッチ戦略には具体的にどのようなメリットがあるのか説明します。

大手企業に負けない強みが持てる

ニッチ市場には、競合する相手がいないため価格競争もなく、収益を独占できます。競合が激しい業界で戦って価格競争に巻き込まれる心配もないため、ニッチ市場を独占できれば、大手企業にも負けない強みを持つことができます。

大きな市場に成長する可能性がある

ニッチ市場は、いずれ大きな市場に成長する可能性があります。どんな大きな企業も始めはニッチ市場から初めているとも言われています。

例えば、中高年向けの女性専用フィットネスの『カーブス』も参入当時は、絶対にうまくいかないと言われていましたが、今では、全世界で10,000店舗を突破する大企業となりました。

このようにニッチ市場は、大きな市場に成功する可能性があります。

ニッチ戦略のデメリット

次にニッチ戦略のデメリットを紹介します。

市場が成長すると競争が激しくなる

ニッチ戦略では、市場が成長すると競争が激しくなるというデメリットがあります。これは、市場が成長することにより、他の企業が参入してくるためです。

このようなデメリットがあるため、ニッチ戦略で戦うには、今後の市場も予測した上で戦略を練っていく必要があります。

市場自体がなくなる可能性がある

ニッチ市場自体がなくなってしまうといった可能性もあります。

参入したニッチ市場にニーズが全くなかった場合、その市場自体もすぐに消えてしまいます。そのためニッチ戦略では、顧客のニーズを加味したうえで戦略行っていかなくてはいけません。

ニッチ戦略に向いている企業

続いてニッチ戦略が向いている企業について紹介をします。

資源が限られている企業

経営するための資源が限られている企業には、ニッチ戦略が向いています。

大手企業では、参入したいと思っても参入できない市場はまだまだあります。自社の資源がなくても、自社の強みを生かせるような市場があれば、独占を狙うこともできるでしょう。

競合の激しい市場に参入予定の企業

すでに競合が激しい市場への参入が決まっている企業にもニッチ戦略は有効です。

競合が激しい市場では、大手企業が大半のニーズに応えていますが、もちろんそれに満足していないユーザーも多く存在します。そういったターゲットを狙っていくのも、立派なニッチ戦略といえます。

ニッチ戦略のマーケティングと考え方

ニッチ戦略で戦うためには重要な考え方があります。

高い技術力があればニッチ市場を独占できると言われていますが、実はそれだけではなく、ニッチ市場を独占している企業は、大手企業が参入してこないように対策をしています。この対策をしないと、先ほどデメリットで紹介したように、他業者がどんどん参入してくるといったケースになってしまいます。

そこで、大手企業が参入できない対策について紹介していきます。

市場を大きくしない

1つめは市場を大きくし過ぎないということです。市場を大きくすると大企業との体力勝負になり負けてしまうケースがあるためです。

利益を上げすぎない

ニッチ市場を独占している場合、価格の調整などが容易にできるため、利益を多く取りたくなりますが、利益幅が多すぎるとそれを嗅ぎつけた大手企業が参入してくる恐れがあります。

大手企業は、固定費が高いので常に利幅が取れる市場を探しています。しかし利幅を自社で調整しておけば、大手企業が参入してくるケースも低くなります。

市場を急速に立ち上げない

市場を急速に立ち上げないということです。

大手企業の場合、『3年で単年度黒字、5年で累積損失一掃』と言った投資のルールを定めている企業が多く、出来るだけ短いスパンでの資金回収を目指しています。

そのため、大手企業では市場の動向も細かく観察しており、短期的に急成長が見込めそうな市場があれば、どんどん参入をしてきます。

自社で市場を独占しているのであれば、急速に市場を立ち上げることなくスローペースでの立ち上げを実践していれば、大手企業の参入の可能性が低くなります。

ニッチを作る9つの戦略を事例を元に紹介

最後にニッチを作るための戦略を9つ紹介します。こちらを参考にして自社のニッチ戦略の参考にしてみましょう。

①技術ニッチ戦略

技術ニッチとは、大手企業にはない技術力で勝負をする戦略です。

企業例としては、医療器具メーカーのマニーです。

マニーは手術用の縫合針でシェアNo.1を獲得していますが、年間の市場規模を5,000億円以下に抑えています。この数字を超えてくると、海外の大手医療メーカーと体力勝負になってしまうためです。これが技術ニッチ戦略です。

②チャネルニッチ戦略

チャネルニッチ戦略は、大手企業にはない、繋がりなどを利用して事業を展開するということです。

企業例としては、大同生命が当てはまります。

大同生命は中小企業向けの定期保険が強いのが特徴です。多くの中小企業の経営者にアプローチをするために、税理士団体と提携し、中小企業を担当する税理士が保険を提案するという、チャネルニッチ戦略を行っています。

③特殊ニーズニッチ戦略

特殊ニーズニッチ戦略とは、特殊なニーズに対応した技術戦略です。

企業例としては、トーシンテック株式会社が当てはまります。

トーシンテック株式会社は、タクシー用の自動ドアのパイオニアと言われており、タクシー用の自動ドアのシェア率は90%を占めています。このように特殊なニーズに対応した事業を特殊ニーズニッチ戦略といいます。

④カスタマイズニッチ戦略

カスタマイズニッチ戦略とは、完全オーダーメイドの商品やサービスを行う戦略です。

日本の時計メーカーのknot(ノット)では、時計の文字盤からベルトなども自分で選ぶ事ができるサービスを展開しています。このようにユーザーが少しでも高い金額を支払う価値を生み出すことをカスタマイズニッチ戦略といいます。

⑤切り替えコストニッチ戦略

切り替えコストニッチ戦略は、別のものに切り替えると発生するコストを利用してニッチ市場を守っていく戦略です。

代表的な企業としては、医薬品のカプセルを製造しているクオリカプス株式会社です。

カプセルの医薬品は、カプセルの中身もカプセル自体にもそれぞれ申請が必要になります。一度クオリカプス株式会社のカプセルを使用して医薬品を製造している企業はいくら安いカプセルが他から出ても、切り替えるのに申請費用が掛かるため、クオリカプス株式会社のカプセルを使い続けるということです。これを切り替えコストニッチ戦略といいます。

⑥空間ニッチ戦略

空間ニッチ戦略とは、限られたエリアだけで事業をする戦略のことです。

代表例としては、北海道でNo.1シェアのコンビニエンスストア・セイコーマートが上げられます。

地域としての集中によって知名度があがり、集客力が高まります。ある程度大きく形成されると、他の地域でマネすることができなくなるなどのメリットがります。このように地域に特化した事業のことを空間ニッチ戦略といいます。

⑦時間ニッチ戦略

時間ニッチ戦略とは、限られた時間の中だけで事業を行う戦略です。

代表的な企業例はドーピング検査のLSIメディエンスです。

ドーピング検査は年間6~7千件だが、オリンピックなると、二週間で1万件以上の検査数になります。このように限られた時間のみに需要が急増する戦略を時間ニッチ戦略といいます。

⑧残存ニッチ戦略

残存ニッチ戦略とは、衰退している市場で生き残る戦略です。

代表的な企業は、東洋化成株式会社です。

東洋化成株式会社は、アジア圏で唯一アナログレコードを製造しています。音楽のネット配信などが進む中でも、決して市場が0にはならない市場で戦っていくことを残存ニッチ戦略と呼びます。

⑨ボリュームニッチ戦略

ボリュームニッチ戦略とは、大手企業が参入できない小さな市場で勝負をする戦略です。

代表的な企業は、卓球用品メーカーのタマスです。

タマスは卓球用品でシェアNo.1を獲得しています。その大きな理由として、ミズノやアシックスなどの大手スポーツメーカーが参入していないからと言われています。このように大手企業が参入していない市場で戦うことをボリュームニッチ戦略といいます。

【まとめ】ニッチ戦略とは?ニッチ市場を自社で作る方法

ニッチ戦略について紹介しました。ニッチ戦略は隙間を狙う戦略です。

ニッチ市場は利益を独占することができ、市場が成長する可能性がありますが、自社でコントールをしておかないと大手企業に参入されてしまいます。

ニッチ戦略とは、いかに大手企業と戦わないようにして、利益を得るかという戦略です。今回紹介したニッチを作る戦略を参考に、自社でも大手企業がマネできない戦略を考えてみましょう。

ニッチ戦略とは?ニッチ市場を自社で作る方法
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